ウサギの去勢手術
今日はウサギさんの去勢手術についてお話します。
雄の生殖器の病気には、中齢期の精巣・精巣上体炎や高齢期の精巣腫瘍があり、
その治療や予防を目的として去勢手術は実施されます。
また、一部ではマウンティングなどの行動抑制効果もあります。
予防的な去勢手術は6ヶ月齢から3歳までに実施します。

当院では、去勢手術を含む全身麻酔が必要なウサギさんの手術時には可能な限り、気管挿管を実施します。
マスク麻酔よりもガス麻酔の濃度が安定し、手術中の急な痛みを起こし難いからです。

陰嚢皮膚を左右2ヶ所切開し、中の精巣を摘出します。

精巣は赤ちゃんの時はお腹の中にあります。
ウサギさんでは、通常6ヶ月齢までに陰嚢内に精巣が降りてきます。
その時の通り道が、ウサギさんでは大きく開きっぱなしに通常なっています。
そのため、去勢手術をすると、その道の蓋となっていた精巣がなくることとなり、
内臓が陰嚢内に出てくるヘルニアを起こすことがあります。

それを防ぐため、当院では精巣摘出後、精巣を包んでいた膜を剥離し、根元の細いところで結紮し、
陰嚢内に内臓が出てきにくいようにしています。
皮下組織を1糸寄せてから、皮膚の切開部を外科用アロンアルファで接着して手術終了です。

このウサギさんは3歳のミニウサギさんでしたが、牧草が好きではなくなかなか食べてくれません。
去勢手術前健診で、奥歯(臼歯)の歯肉から歯が出てる長さ(歯冠)が長く、不整であったため、
症状はまだ出ていませんでしたが、去勢手術時にドリルで削りました。
奥歯(臼歯)がひどく伸びてしまった時は、削るには全身麻酔が必要となります。
ウサギさんは前歯(切歯)だけでなく、奥歯(臼歯)も生涯伸び続けます。
伸びすぎてしまうと、痛くてごはんが食べられなくなってしまいます。
そのため、牧草などの繊維が固い食べ物を食べさせ、伸びすぎないようにします。
エキゾチックペット診療室 室長
モルモットの下腿骨折
こんにちは。
今日は骨折で来院されたモルモットさんを紹介します。
3ヶ月齢の雄のモルモット(シェルティー)のバッファ郎くんです。
飼主さんが仕事から帰宅すると、すのこに後肢が挟まっていて
はずしてあげようとしたら暴れて折れてしまったようです。
足を見るとぷらんぷらんでしたが、皮膚の裂傷はありませんでした。


レントゲン検査を行うと、頸骨遠位端骨折を起こしていました。
バッファ郎くんは若齢で骨も細くもろいため癒合してくれない可能性が高く、
また麻酔のリスクも高いですが飼主さんと相談の結果、
整復手術を実施することにしました。




鎮静・注射麻酔にて導入後、マスクにてガス麻酔で維持しました。
整復はキルシュナーピンを挿入しましたが、一番細いピンしか入らず
強度が低いためまた旋回防止を目的として外固定も実施しました。


げっ歯類は立派な前歯があり、ギブス固定を行うと齧ってしまいます。
そのため、創外固定を選択することが多いですが、
今回は骨折部位が遠位で創外固定を実施できませんでした。
そこで、テーピングではなく外科用アロンアルファにてアルフェンスという
金属性の添え木で外固定を実施してみました。



アロンアルファは皮膚の角質とともに脱落するようになっているため、
1〜2週間ごとに追加して固定を維持しました。
6週後に外固定ははずし、無事骨折部は癒合しました。
入院室は足が引っ掛からないように水槽にし、室温が上がり過ぎないように気を付けました。
整形外科のような疼痛が激しい手術後はなかなかごはんを食べださない子がげっ歯類には多いのですが、
バッファ郎ちゃんはすぐにもりもり食べてくれました。

げっ歯類の骨折時にはよく起こることですが、
バッファ郎ちゃんの場合も骨折した足を自咬してしまうためエリカラー生活でした。
そのため、グルーミングができず一時期は全身脂漏性皮膚炎によりはげてかさぶただらけでした。
しかし、外固定抜去後からは徐々に治り2週間ほどで元のきれいな被毛に戻りました。
飼主さんもバッファ郎ちゃんも2ヶ月と長期戦でしたが、一緒にがんばってくれました。
ありがとう!!
入院中に食べ過ぎたせいか、今はパセリを全く食べなくなってしまったそうです。
飼主さんが新鮮なものをと自家栽培してくれていたのに・・・
バッファ郎ちゃん、パセリはビタミンCが豊富で体にもとってもいいんだよ。
ファミリー動物病院付属
エキゾチックペット診療室
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ハムスターの切歯過長症
今日は、1才のジャンガリアンハムスターのチョコくんを紹介します。
ほっぺたから何か出ているとのことで来院されました。

ほっぺたから出ていたものはなんと歯でした。
上顎の前歯が伸びて反転し、チョコくん自身のほっぺたに刺さって出てきたのです。
痛かっただろうに・・・
すぐに無麻酔で軽く押さえて、切歯カッターで歯を短くして刺さった前歯を抜きました。


歯が刺さっていたほっぺたの穴は抗生物質と消炎剤の内服にて自然と癒合してくれました。
切歯の過長は歯が生涯伸び続けるげっ歯類によく見られる疾患です。
ケージを噛んだり、落下により顔をぶつけたり、歯根の病気で対側の歯が伸びなくなったりすることで噛み合わせが悪くなり伸びてしまいます。
一度噛み合わせが悪くなると月に1回切ってあげ続けなければいけなくなります。
ファミリー動物病院付属
エキゾチックペット診療室
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ハムスターの頬袋脱
お久しぶりです。今日はハムスターさんを紹介します。
ぽてくんは2才のジャンガリアンハムスターで、
朝見たら口から何か出て引っ張っているとの主訴で来院されました。
見ると、左側の頬袋が反転して口から飛び出していました。
ぽてくんは何だか分からず必死に取ろうと引っ張って噛みちぎろうとしていたのです。
このままでは頬袋の傷から出血する危険があります。
また、ごはんも食べることができません。
飼主さんと相談し、高齢ですが摘出手術を行うことになりました。

抗生物質と消炎剤を飲ませ鎮静剤の注射後、ガス麻酔にて寝かせます。
脱出した頬袋の根元を吸収糸で結び、電気メス(バイポーラー)にて切断します。



手術自体は単純ですが、ぽてくんは高齢だったため全身麻酔に耐えてくれるか心配でした。
しかし、覚醒もよく当日元気に帰って行きました。

ぽてくんの場合は頬袋にできたできものが原因で脱出してしまいました。
ハムスターの頬袋脱は時折見られる疾患で外傷や炎症、腫瘍などが原因で靭帯が損傷し反転脱出します。
原因が何であってもハムスターさんが出た頬袋を齧って引っ張ることで即炎症性の浮腫を起こし、来院時には整復は困難で摘出手術が必要な救急疾患です。
飼育下のハムスターさんは毎日新鮮なごはんをもらっているので、頬袋がなくなってもその後の生活に障害はありません。
ファミリー動物病院付属
エキゾチックペット診療室
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先週、1週間のエキゾチックペット診療
今日は、とある1週間でのエキゾチックアニマルの診療紹介をしたいと思います。
2月はフェレットさんの健診月間であったこともあり、特にフェレットさんが多く来院されました。
<手術> 
・ネザーランドドワーフ 臼歯不整咬合
・フェレット 皮膚腫瘤摘出
・フェレット 胃内毛球摘出
・フェレット 脾臓腫瘤摘出
・フェレット 副腎摘出×2件
<マルチスライスCT検査>
・ウサギ(ネザーランドドワーフ) 肺原発腫瘍
・フェレット 副腎疾患×3件
<入院>
・フェレット 糖尿病性ケトアシドーシス
・フェレット インシュリノーマ
・フェレット 免疫介在性溶血性貧血
・フェレット 胸腺腫
<診察>
・ウサギ(ロップイヤー) 盲腸便秘・鼻炎
・ウサギ(ミニウサギ) 胃腸停滞
・ウサギ(ミニウサギ) 子宮疾患
・ウサギ(ライオンラビット) 切歯過長
・ウサギ(ホーランドロップ) 皮膚腫瘤
・ウサギ(ネザーランドドワーフ) ペットホテル
・モルモット 尿路結石
・リチャードソンジリス アレルギー性皮膚炎 
・プレーリードッグ 下顎腫瘍
・ハムスター(ジャンガリアン) 皮膚肥満細胞腫
・ハムスター(ジャンガリアン) 腹腔内腫瘍
・ハムスター(ジャンガリアン) 爪切り
・フェレット 副腎疾患×5件
・フェレット 腎のう胞
・フェレット 心筋症×3件
・フェレット 皮膚肥満細胞腫
・フェレット 嘔吐
・フェレット 下痢
・フェレット 予防接種×2件
・フェレット 健診(血液検査・超音波検査・レントゲン検査のパック)×7件
・カメ(エロンガータリクガメ) 下痢 
・エボシカメレオン 卵詰まり
・パンサーカメレオン 下痢・爪折れ

フェレットドッグ(健診パック)では、比較的高齢なフェレットさんが希望されることもあり、毎年、健診を受けたフェレットさんの内、7割くらいの子が異常が見つかり治療を開始しています。
フェレットに限らず、エキゾチックアニマルは病気の兆候が分かりにくいことが多いです。
些細な事でも異常を感じたら、早めに動物病院に相談しましょう。
ファミリー動物病院付属
エキゾチックペット診療室
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ピギークラスの様子
1月に仔豚のしつけ教室‘ピギークラス‘を開催しました。
その時の様子を報告したいと思います。

ブタさん特有の行動として‘ルーティング‘というものがあります。
鼻で穴を掘るのが大好きで、本能を満たしてあげるため、安全に鼻掘りができる場を提供してあげる必要があります。
雨の日など外になかなか連れて行けない時は、ペットボトルに穴を開け、フードを転がすと出るようにしたおもちゃで満足させることができます。


着せ替えごっこです。
仔豚のうちから体中をいじくり回して触ると嫌がる所を作らないようにします。
仮装させると遊びながら楽しくしつけることができます。


最初はフードに集中させ、いつの間にか着せます。
そして着てる間はほめて散歩に出かけたりと楽しい経験を積ませると仮装が大好きになります。
同じようにシャンプーや足拭きなど日常必要なことも大好きにさせておきましょう。


ブーちゃんとポーちゃんはお家にわんちゃんもいるので初めての犬にも動じません。
動物はみんな相手が他種動物であっても自分の言語で会話しようとします。
スピッツの涙くんは初対面で顔をそむけてカーミングシグナル(僕は攻撃しないよ)を送っています。
相手が後ろを向くと必死に臭いをかぎ、‘誰じゃ?‘と確かめています。

社会化の一貫としてスタッフに娘さんを連れてきてもらい一緒に楽しく遊んでもらいました。
院長にも参加してもらいおじさん?にも慣れさせます。


クレートトレーニングも入院やペットホテルのことを考慮し今のうちから慣れさせてもらいます。
おすわりやふせ、待てなども教えておくと散歩時の事故防止につながります。
おすわりは二人ともすぐにできるようになりましたが、ふせは足の構造上難しいようで、低い横棒をくぐらせて教えてみました。

最後に薄味手作りポップコーンをブーちゃんもポーちゃんも一緒にみんなで食べ、お腹いっぱいになってクラスは終了しました。
ファミリー動物病院付属
エキゾチックペット診療室
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エボシカメレオンの卵詰まり
お久しぶりです。
かなり長ーい間ブログさぼっていました。
これからまた、がんばります。
今回の症例報告は、1歳齢くらいの雌のエボシカメレオンのニーナちゃんです。
脱腸を主訴に来院されました。
1週間前に脱腸が認められ一時改善したが、また脱腸し食欲も低下しているとのことでした。
体幹部が凸凹していたため、レントゲン検査を実施しました。


すると、卵が多数充満していました。
卵詰まりに伴ういきみにより脱腸および食欲低下が認められたと考えられ、
まずは卵の産出に適した環境整備をしてもらうことになりました。

ニーナちゃんは基本的な飼育環境は整っていました。
具体的には、
・ケージ内に土を敷き産卵場所を確保する。
・別ケージですが雄が隣接しているため離す。
・飼育温度を24〜28℃とやや高めに設定する。
・食餌は嗜好性が高いものにしてもらいカルシウム剤をダストして給餌する。
・飲水をしっかりさせる。
を実施してもらいました。
来院当日に土を敷いたところ、即座に産卵してくれたそうです。
なんと、52個も!?
ニーナちゃん、がんばったね。おめでとう。
ファミリー動物病院付属
エキゾチックペット診療室
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